地域産品ブランドの育成のPDCAサイクルを回すために
地域産品ブランドのブランド力が強化されたかどうかを把握する方法は、長らく曖昧にされてきた。担当者の勘で評価する場合もあった。最近では、例えば、試食イベントでのアンケート調査の結果でブランド力強化のkpiを設定する場合もある。しかし、試食イベントでの試食調査は、調査対象者が自分で対象の地域産品を購入していないため、全体に高い評価を得てしまいがちだとされており、やや正確性に欠けてしまうのが現実だ。
コスメブランドや食品ブランドでは、ブランドパワー調査という手法が採用され、購入者の選択行動を詳細に把握することにより自社商品と競合商品、それぞれの強み・弱みを浮き彫りにし、売上げ増加を図っていくことが常識的に行われている。地域産品においては、コスメブランドや食品ブランドのブランドパワー調査ほどの詳細な調査を実施することは稀だが、ブランド力の数値をする動きは始まっている。地域内での評価と消費地での評価の差異はどれくらいあるのか?地元の評価が高いために適切な評価を見失っていないか?競合ブランドと比較して強みと弱みはどこにあるのか?といったポイントを調査から数値化する。
地域産品ブランドの育成のPDCAサイクルを回すためには、成果と次の課題の見える化が必要なのだ。
都市農村交流課 プロデューサー 石井和裕