見るべきところは「稼ぐ力」
全国各地で(Destination Management Organization:デスティネーション・マネージメント・オーガニゼーション)の立上げもしくは検討が進んでいる。その検討のプロセスの中で先進的取り組みの推進要因等を把握するための視察を行う場合がある。特に視察のポイントとなるのは地域の「稼ぐ力」。どのように事業収益を上げてDMOと地域経済を持続可能としていくかについてだ。
いくつかの著名な視察先地域があるが、その中でも最も積極的に視察を受けて入れている地域の一つが長野県飯山市にある信州いいやま観光局だ。信州いいやま観光局は、各自治体の職員、議会、研究者、民間企業様等を対象にした視察の受け入れプログラムを有している。北陸新幹線の開業に伴い開設された最新の観光交流センターも有名だが、信州いいやま観光局が最も優れているのは事業課による「稼ぐ力」。「いいやま湯滝温泉」「なべくら高原・森の家」「道の駅・花の駅千曲川」「高橋まゆみ人形館」の四本柱から安定した事業収益を上げている。
なぜ、急激な国際化の進展に伴う観光客の多様化にも対応した「飯山らしさを体感できる旅づくり」を推進することができたのか。なぜ、農業や地場産業との連携でいち早くDMOの事業に成功し、地域経済の発展にまで貢献することが出来るようになったのか、現場を生で感じて声を聴くことは、必ず役に立つ。
都市農村交流課 プロデューサー 石井和裕

新幹線駅が観光の起点となっている。1階に案内所。2階にはカフェ。

高橋まゆみ人形館

道の駅・花の駅千曲川