menu

「量」はブランド力となり得るか

大量生産地ならではのブランド化の悩みとは?

茨城県は首都圏の食を支える大農業地帯。その中でも鉾田市は、多くの産品の産出額が日本一となっている。多くの産品の中でも、特にメロンは、鉾田市がブランド化に力を入れている産品の一つだ。温和な気候と太平洋からの潮風、そして水はけがよく肥沃な大地は、メロンづくりに最適だという。産出額が日本一ということは多くの量を安価に安定供給していることを約束できる証となる。したがって、量販店や青果店チェーンなど流通に対しては絶大なブランド力を発揮することが出来る。

一方、昨今では「ブランド力を高める=高い収益性に繋げる」という考え方がある。マーケティングの原則的には「希少性がある高品質な商品」は高価に取引され、収益性が高くなる。つまり、産出額日本一とは考え方が相反することになる。高価なメロンが求められるギフト市場をターゲットにしている高級青果店や高級青果店の顧客、さらには高価格の飲食店には、産出額日本一ではブランド力を発揮しにくい。別のマーケティング戦略が必要となる。

ブランド力は万能ではないのだ。

都市農村交流課 プロデューサー 石井和裕

新鉾田駅に掲出された広告看板。

お電話でのお問い合わせ

03-5232-6866

WEBからのお問い合わせ

お問い合わせフォームへ

関連記事

  1. 技術が日本を代表する地域ブランドを支える

    宇治が日本を代表するお茶のブランドになったのは髙い技術から。近畿農政局が「食と農」に関わる体験型…

  2. 地域産品開発に欠かせない試食調査

    各地で地域産品の開発が行われている。特に他の地域の産品との差別化に有効で利益を大きくとれる加工食品の…

  3. ゆるキャラ集合で広域連携を伝える。

    ゆるキャラ大集合イベントが興味を喚起する。自治体単独ではなく、複数の自治体が合同で地域ブランドの…

  4. ブランドを伝えるタイアップ手法

    信頼を何で伝えるのかが重要。地域ブランドの信頼性を「どのように伝えるか」、地域ブランドに「どのよ…

  5. フォトジェニックな女子旅のまち

    犬山に行けば「必ずカワイイ写真を撮影できる」ブランドを確立した城下町。3年前までは「猫も歩かない…

  6. 地域産品の強いブランド力を分解する。

    地域資源の「3つの価値」と商品の競合優位性を高める「プロダクトコーン理論」地域産品や地域産品を使…

  7. 地域イベントで地元にブランドを浸透させる。

    地域の食イベントが地元のファンを創る。全国各地でマルシェや産直販売イベント、もしくは、イベント会…

  8. 交通事業者と共に伝える

    現地で実感してもらえるように人を送り込める交通広告テレビ、新聞、雑誌、ラジオといった従来型のメデ…

PAGE TOP