menu

江戸時代と現代の新旧キャラクター

成田観光のPRに2つのキャラクター

ゆるキャラとは「ゆるいマスコットキャラクター」のこと。「ゆるキャラ」の提唱者であるみうらじゅん氏は「郷土愛に満ち溢れた強いメッセージ性」を持つことを成立条件の一つ挙げている。日本全国の自治体、観光協会等には、無数のキャラクターが存在している。「新語・流行語大賞」の候補にゆるキャラがノミネートされたのは2008年。比較的、その歴史は浅い。

しかし、キャラクターを活用した地域振興は古くからおこなわれている。そのルーツと言えるものの一つが、江戸歌舞伎の名門・市川團十郎家と成田山の関係だ。初代團十郎は子宝に恵まれず、成田山に祈願したところ願いが叶う。初代團十郎はこの霊験を大変喜び、元禄8年(1695年)に成田山不動明王を初演。その後も度々不動明王を演じることとなる。その噂が江戸に伝わり、江戸っ子に成田山人気が高まる。成田山は「出開帳」(現代風にいえば「秘仏特別公開」)を、江戸・深川の富岡八幡宮の別当・永代寺で開くが、その開催時期に合わせて市川團十郎は歌舞伎公演を開催。市川團十郎家といえば成田屋(=成田山)のイメージが確立されていった。21世紀に入っても、成田市は市川團十郎家の十一代目市川海老蔵を「成田市御案内人」に任命し成田観光PRへ活用している。

魅力を伝えるキャラクターは時を越えて地域で活用されている。

都市農村交流課 プロデューサー 石井和裕

うなりくんと市川海老蔵が飾られる成田市役所。

市川團十郎家が制定した歌舞伎十八番の一つ勧進帳が飾られる参道の店舗。

うなりくんのキャラクター商品。名物の鰻と成田空港の飛行機をモチーフにしている。

お電話でのお問い合わせ

03-5232-6866

WEBからのお問い合わせ

お問い合わせフォームへ

関連記事

  1. シンボルを広場に設置する。

    商業施設と公園の官民連携が「七重の塔」を誕生させた。神奈川県海老名市は東京から50km(小田急線…

  2. 地域イベントで地元にブランドを浸透させる。

    地域の食イベントが地元のファンを創る。全国各地でマルシェや産直販売イベント、もしくは、イベント会…

  3. 地域アイデンティティを視認するアイコンを史跡から

    「足たび 学び舎のまち足利」を伝える漢字2文字栃木県足利市は、室町幕府を開いた足利氏発祥の地。八…

  4. 「自分のまちは自分たちがつくる」という市民の約束

    鯖江市民主役条例が創る地域ブランド鯖江市は眼鏡産業が盛んで100年以上の歴史を積重ねてきた。眼鏡…

  5. 桜まつりにオンリーワンの独自価値を

    和船の本格的な運行が桜まつりを変えた深川桜まつりが全国各地で無数に開催されている。多くは観光協会…

  6. 美味しい水の街を駅前で伝える

    日本一の湧水巡りを出来る街神奈川県秦野市は2015年に環境省が名水百選選定30周年の記念で開催し…

  7. 東京スカイツリーで観光プロモーション

    観光客が集まる場所で観光プロモーションを実施する。東京スカイツリーでは「日本に元気を発信したい」…

  8. 田園風景をブランドにする

    自然豊かな田園風景が広がる景観を地域の価値に。川島町は、埼玉県のほぼ中央に位置する田園風景が広が…

PAGE TOP