街づくりの集大成は神社の復活だった
日本橋が変わった。平日はビジネスマンが行き交い、休日は百貨店に人が集まる、逆に言えば、休日は百貨店以外は閑散としていた古い街だった。ところが、三井不動産が中心となり官民一体で進めた「日本橋再生計画」により、休日もにぎわう繁華街に生まれ変わった。再生のコンセプトは「残しながら、蘇らせながら、創っていく」。その街づくりの集大成が「福徳神社」の復活と「福徳の森」だった。
江戸時代からの由緒ある稲荷神社であったのにもかかわらず、時代にほんろうされ、ビルの合間にある小さな祠のような状態だった「福徳神社」を街づくりの一環として再建したのだ。そして、周囲には木を植え森を作った。さらには、ビルとビルの間の道路を参道として、新たな賑わいの起点に。参拝する人が絶えず、新しい地域コミュニティの核が生まれた。夜間にはライトアップも行われ、2016年には、上空をきらめく本物の「流れ星」とイルミネーションが連動する、という「NIHONBASHI-願いの森」というロマンチックなイベントも開催され多くの女性が訪れた。
神社という日本古来からのコミュニティ拠点は現代の街づくりでも機能するのだ。
都市農村交流課 プロデューサー 石井和裕

都心のオシャレなパワースポットになっている。