調査結果によって「芳賀のめぐみ」の美味しさは数値化をされた。
日本全国に産品ブランドが乱立している。しかし「ブランディングを十分に出来てない」という生産者や行政の声を良く聞く。産品ブランドで、まず、最も重要なのは美味しいこと。美味しさを約束できれば、その産品はブランディングできる。しかし、美味しさは数値化が難しい。そこで、行われる手法が試食調査だ。ポイントはブランディングのために、どのような調査結果を導き出せばよいのかを仮説から組み立てること。経験豊かなマーケッターが調査設計をすると良い。
栃木県芳賀町の特別栽培米「芳賀のめぐみ」は、日本穀物検定協会(東京都中央区)がコメの外観や味などを評価する食味官能検査で最高評価の「特A相当」認定を受けたものの、地元でも、その美味しさを実感している人が少ない。話題になることが少ないため「芳賀のめぐみ」という産品ブランドの認知度が高まらないのだ。
芳賀町では、この課題を解決するために試食会を開催した。調査の集計結果では、98.8%が「美味しかった」と回答、90.5%が「ほどよい甘みを感じるお米」と回答している。調査結果によって「芳賀のめぐみ」の美味しさは数値化をされたのだ。これにより、これまでは、店頭POPや通販サイトに「美味しいお米」と曖昧に書くことしかできなかった「芳賀のめぐみ」は、「98.8%が『美味しかった』と回答したお米」と表現することが出来るお米となった。また、地元の新聞が、調査結果の数字を記事で掲載したため、「美味しさのお墨付き」が更に強まった。
わかりやすい数字が、消費者に美味しさを約束した。
都市農村交流課 プロデューサー 石井和裕

試食会

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