menu

民間の力で浸透する流山市の地域ブランド・アイデンティティ

流山市は、なぜ「買って住みたい街」ランキング6位にまで躍進したのか?

行政による地域ブランド開発で、近年、最大の成功と言われているのは流山市(おおたかの森)だろう。流山市にある南流山駅と流山おおたかの森駅は、つくばエクスプレスのなかで秋葉原駅・北千住駅についで1日平均乗車人員が多い駅になっている。開通は2005年なので、かなり新しい街だ。以前は高齢化の進む郊外の自治体だった流山市は、この、つくばエクスプレスの開通と大胆なシティプロモーション(と、そこに至るまでの地域アイデンティティ創り)で、一躍、子育て世代の街に変身した。

流山市を「都心から1番近い森のまち」と規定。子育て世代にアピールできる良質な住環境の整備と子育て・教育施策の充実に取り組み。イメージと実態とを併せて、緑に包まれた良好な住環境のある地域づくりを進めた。そして、その準備が整ったところで開始したシティプロモーションのキャッチフレーズは「母になるなら、流山市。」。首都圏の子育て世帯に協力にアピールした。重要なのは、表面的なキャッチフレーズ開発ではなかったこということだ。

地域の強み、弱みを分析し、環境整備や施策の充実も伴った上での地域ブランド・アイデンティティ開発であったこともあり、子育て世帯、そして、不動産会社からの大きな共感を得ることに成功した。特にマンションデベロッパーは「都心から1番近い森のまち」「母になるなら、流山市。」をベースにした広告展開を繰り返し実施。緑や青をイメージカラーに使用し、子育て世帯へのアピールを行った。森の中のカフェをイメージするメニューを提供する飲食店も開店した。

民間により地域ブランド・アイデンティティは広く発信されターゲット層に浸透。遂には、HOME’Sの2017年首都圏版「買って住みたい街」ランキングでは「買って住みたい街」ランキング6位にまで躍進した。今では、子育て世帯が憧れる「千葉県の二子玉川」となっている。

都市農村交流課 プロデューサー 石井和裕

分譲マンションの屋外広告

分譲マンションの駅貼りポスター

女性のための住環境づくりをアピールする広告

お電話でのお問い合わせ

03-5232-6866

WEBからのお問い合わせ

お問い合わせフォームへ

関連記事

  1. 港の食堂1つで地域のイメージを変えることもある

    市民にすら知られていなかった水産業はなぜ再認識されたのか?神奈川県平塚市は湘南地区に位置する。湘…

  2. 駅前のコンビニ空き店舗にみんなの店を作る

    地域産品やオリジナルメニューが地域住民を繋ぐ。JR黒田原駅前に、いかにもコンビニエンスストアであ…

  3. ブランドを伝えるタイアップ手法

    信頼を何で伝えるのかが重要。地域ブランドの信頼性を「どのように伝えるか」、地域ブランドに「どのよ…

  4. シンボルを広場に設置する。

    商業施設と公園の官民連携が「七重の塔」を誕生させた。神奈川県海老名市は東京から50km(小田急線…

  5. 「富士山が見える」よりも強い地域のDNA

    なぜ「富士山が見える」は強みにならないのか?地域の特徴や強みを何にすえれば移住に相当する魅力的な…

  6. 江戸時代と現代の新旧キャラクター

    成田観光のPRに2つのキャラクターゆるキャラとは「ゆるいマスコットキャラクター」のこと。「ゆるキ…

  7. 女性観光客の増加をもたらした温泉アートエンターテイメント

    「最古にして、最先端。」が街の景色を変えた。愛媛県松山市は、年々観光客減少。最大の観光資源である…

  8. スキャンダルの心配無用なキャラクター・タレント

    戦国武将など歴史上の人物が人気なのには理由がある。広告業界では「芸能人に頼ったブランディングは危…

PAGE TOP