デザインだけではブランドは作れない。
「コシヒカリと双璧をなすプレミアム米として育てたい」としてデビューした新潟県の新ブランド米「新之助」が好調だ。鮮やかで品質を感じるブランドデザインも注目を集めている。しかし、デザインはブランドを表現する手段であって、ブランドそのものを作る要素ではない。その点について、誤解している人が多い。
新潟県の稲の作付けはコシヒカリが約7割と一極集中していた。しかし、コシヒカリは暑さに弱く、地球温暖化が進む将来に、おいしいコシヒカリを供給し続けることができるかどうかに不安が生じていた。そこで開発されたのが「新之助」。コシヒカリより収穫時期が遅い晩生の品種。暑さを避けて安定した品質で出荷しやすい特徴がある。ブランドとは「約束」。「新之助」は酷暑の年でも、安定した品質でおいしい米を食卓に届けること安心・安全を「約束」しているブランドだ。
新潟県農林水産部農業総務課によると「新之助」はブランドを生み出し維持するために、厳しい品質管理を行っている。生産者は「新之助研究会」に入り、一定の栽培指針に従って作ることを求められる。水準に満たないものは「新之助」を名乗ることは許されないルールになっている。また、生産工程管理方法についても厳格なルールを守らなければならない。
ブランドデザインは「約束」を目に見えるように表現している。
都市農村交流課 プロデューサー 石井和裕

「新之助」のパッケージ