人気のマルシェに意欲的に出展する自治体が増えてきている。
自治体は何を目的としてマルシェに出展するのだろう。多くの自治体は、都市生活者に地域産品を販売する、PRする、認知度を上げるということだけではなく、販売実績や顧客(都市生活者)の意見を検証する、つまりテストマーケティングを行い、分析結果を、その後のブランディング活動につなげている。
なぜマルシェでテストマーケティングを行うことが可能なのだろう。それは、マルシェでは対面販売を行うからだ。対面販売なので、生産者や生産地の販売スタッフが都市生活者である顧客と直接コミュニケーションを取ることができる。つまり顧客の生の声を聞くことができるのだ。また、マルシェ会場でアンケート調査を併用する場合もある(多くのマルシェでは自治体のプロモーションや調査に制限があり、アンケート調査を実施できるのは一部のマルシェのみ)。商品やサービスの売れ筋や購買理由などを明らかにして、顧客視点から、地域産品を都市部で販売する場合の強みや課題を把握することが出来る。スーパーマーケットや県のアンテナショップでの販売との最大の違いはココにある。
マルシェの顧客は良い産品を手に入れたいという想いが特に強い。また、生産者や生産地の人から話を聞いて購入したい傾向がある。対面販売が好まれるマルシェだからこそ、コミュニケーションを通したテストマーケティングを行うことができ、その結果を活かした、より効果的なブランディング活動を行うことが可能なのだ。
インターン研究生 玉田侑也

マルシェでは主に生鮮食品が販売される。