独自価値をイメージできるキャッチフレーズか?
日本全国の自治体や地域は競い合う時代になっている。限られた市場規模を奪い合っているのだ。たとえば、移住においても「都心から移住したい」と考えている一握りの生活者に地域ブランドを伝え魅力を理解していただき移住を検討していただく必要がある。どこが優れているのか、何を生活の中で提供できるのか・・・。
移住・交流イベントでは、たくさんの地域のブースが会場に並ぶ。「都心から移住したい」と考えている来場者は、限られた時間の中で興味のあるブースにだけ立ち寄ることになる。だから、キャッチフレーズが重要となる。ただ面白い、興味を引くだけではなく、どのような地域なのかを明確に、短い言葉で示すことが重要だ。そこで大切になるのは、その地域の独自価値。
様々な地域で魅力発掘のためのワークショップを開催すると、以下のような意見が発表される。
●都心から程よい距離
●富士山が見える
●自然が豊か
●住んでいる人が優しい
・・・などなど。
いずれも、該当する自治体が山ほど存在するので、その地域の独自価値を表現するには至らない。あしがらブランドの「水源」、海の京都の「和の源流」といった言葉は、独自価値を表現できているが、やはりキャッチフレーズを開発する途中で「自然が豊か」「住んでいる人が優しい」といった意見がワークショップでは発表されていた。その段階まででディスカッションを終えるか、さらに突き詰めて独自価値を見つけ出すか、そのプロセスの違いによって生じる効果の差は大きい。
都市農村交流課 プロデューサー 石井和裕

自治体のキャッチフレーズ