menu

現代のニーズへの対応を加えて賑わい続ける市場に

個人旅行客への対応で伝統の小売スタイルを維持

京都は優れた食文化の歴史を持っている。京都市民からは「にしき」という愛称で呼び親しまれ、「京の台所」として京都の食を支えてきた錦市場は400年の歴史を誇り、京料理の材料なら大体そろうとまで言われた伝統の商店街。そんな錦市場も近年、客足が伸びなかったという過去を持つ。原因は団体旅行の減少や食の多様化による環境の変化など時代の移り変わりだった。

人を立ち止まらせるにはどうすればいいか。団体旅行の減少に対して、錦市場がとった施策は串やカップで料理を提供し、「食べ歩き」を可能にすること、また錦市場で購入した食材をその場で食べられる調理サービスのあるイートインスペースの設置という、個人旅行が主流となっている現代の旅行スタイルに合わせたものだ。観光客に、ゆっくりと歩いて、商店街の隅から隅までを回遊してもらい、飲食を楽しんでもらうことで、より観光客に商品と接してもらう時間を増やすことを狙った。

各店が商品の提供方法を変えたことにより、錦市場は個人旅行の観光客の滞在時間を延ばすことに成功した。また、訪日外国人にも伝統的な人気観光スポットとして知られるようになり、常に賑わいを保っている。伝統を守りつつ現代のニーズを取り入れる。新しい風を取り込むこともまた伝統を守るのに重要なのではないだろうか。

インターン研究生 田中晴也

食べ歩きサイズの商品が並ぶ。多言語化対応も行われている。

お電話でのお問い合わせ

03-5232-6866

WEBからのお問い合わせ

お問い合わせフォームへ

関連記事

  1. 小説を軸に官民一体で作り上げた回遊性の高いまちづくり

    小説を活かし、まちの活性化に臨む現在、日本では少子高齢化が進み、地方都市では都市の活力が減退して…

  2. クリスマスイルミネーションで地域を表現

    富士山は誰のものかを主張「富士山論争」というものがある。山梨県が「富士の国」を自称し、静岡県は「…

  3. 都心で食情報を発信する

    飲食店は情報発信の起点となる。地域の食の魅力(地域ブランド)を、どのような方法で消費地である東京…

  4. 選択と集中で「いちご日本一」のまちへ

    真岡市の石坂真一市長は2017年5月15日に就任記者会見を行い、日本全国のイチゴ生産者を集めた交流会…

  5. アニメのファンが、地域のファンになる。

    一過性のブームで終わらせない、聖地とファンの繋りづくり。埼玉県秩父市では、2011年からアニメ「…

  6. 水と城の街を印象付ける銘菓の売場づくり

    カラフルな売り場が地域の地域の歴史・風土を今に伝える。大垣市は慶長5年(1600年)の関ケ原の戦…

  7. 地域にオンリーワンを見つけ出す

    「女子サッカー」というマイナー競技であっても市のシンボルになる理由とは?全国には約1,700の市…

  8. ブランドプロモーションの必然とは

    どこからコアなファンを育成するか。ブランドを大きく育てるためには、まず第一段階として、熱烈にブラ…

PAGE TOP