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小説を軸に官民一体で作り上げた回遊性の高いまちづくり

小説を活かし、まちの活性化に臨む

現在、日本では少子高齢化が進み、地方都市では都市の活力が減退している。愛媛県松山市もこの影響受け、交流人口が年々減少し、それに伴う宿泊者数の減少により宿泊代・土産物代などの消費額も減少していた。しかし、松山市は小説を軸にしたまちづくりでまちの活力を取り戻すことに成功した。

観光資源が市内に点在する松山市は、観光客を増加させ松山市全域で消費額を増加させようと考えた。松山市は夏目漱石、正岡子規らのゆかりの地であり市民が文学に対して理解が高かったため、中村市長が平成11年に提唱。また、ちょうどその時期に、NHKスペシャル大河ドラマとして「坂の上の雲」の放映が決定されたこともあり、市民一丸となった、小説「坂の上の雲」を軸としたまちづくりを始めた。

まずはじめに、市民に自分の住んでいる身近な文化、資源を再発見してもらおうと、ふるさとウォークを開始。松山市は、まちづくりをしていく上で、市全体を屋根のない博物館に見立てた「フィールドミュージアム構想」を掲げ、回遊性のあるまちを目指した。プログラム開発等においてはNPOや市民団体を支援し、市民に積極的に参加してもらい、市民主体でまちづくりを行った。小説の具体的なゆかりの地だけでなく、それらを結ぶ導線も整備。市内の回遊性を高めた。「フィールドミュージアム構想」に合わせて、道後温泉本館の前の県道を建物の裏に動かし道路を完全に歩道にするなど、街並みを変え、歩行者を優先した景観整備を行った。また、さらに回遊性を高めるために、案内はITを活用。タッチパネルや、映像での案内や、道の案内標識により観光客(歩行者)がスムーズに市内を回れるように設置した。これらを行うにあたり、小説を軸にしたまちづくりという一つの目標を達成するために発足した、様々な部署からなるプロジェクトチームがあったため、庁内で密な連携を取りながら推進することができた。

松山市は、小説という明確なテーマを定めたことが、まつづくり成功への原動力になった。それにより、地域主体となり行政とも連動し進めることができ、まちの活性化につながった。市民、庁内を一つにまとめるテーマ設定が重要だった。

インターン研究生 倉林里佳

商店街と道後温泉本館の間に通っていた県道は移転。回遊導線を向上した。

小説に登場する蒸気機関車をモチーフにした車輛が路面電車を走る。

フィールドミュージアムの起点となる「坂の上の雲ミュージアム」は、この萬翠荘に隣接している。

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