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地域を表現する新しい酒造り

花の酵母で新商品を開発するという挑戦

神奈川県開成町にある瀬戸酒造店は、慶応元年(1865年)に創業した酒蔵。丹沢から流れ出る伏流水に恵まれ、酒造りを営んできた。しかし、1970年代に進んだ日本酒離れ等により日本酒を巡る環境は悪化。1980年に自家醸造を断念していた。それから40年近くを経て復活。瀬戸醸造店は自家醸造を再開することになった。その自家醸造第一号の酒に先立ち、前年に発売した酒が「零号」。開成町の季節風景を表現した酒になっている。表現のバックボーンにあるのが酵母。開成町の町花でもあるあじさいの花から抽出した酵母で醸した、この町ならではのの日本酒なのだ。

同じあしがらエリアの神奈川県松田町にある中澤酒造は、文政8年(1825年)に創業した酒蔵。瀬戸酒造店よりも、さらに丹沢に近い位置にある。松田町は河津桜が有名な地域だ。中澤酒蔵は、その松田町の河津桜の酵母を使った特別純米酒「亮」の製造を開始した。

いずれの酒蔵も、地域に根差した活動をし、地域と共に歩んできた。そして、地域の発展を願い、地域の顔を酒造りで表現している。地域の食材で開発することは地域産品開発における王道ではあるが、花の酵母による酒造りは難しい挑戦。それでも、その価値があると、いずれの酒蔵は考えている。どちらの酒蔵も蔵の見学を受け入れている。

都市農村交流課 プロデューサー 石井和裕

瀬戸酒造店の自家酒造復帰を飾る酒のラベルに描かれたのは紫陽花が咲く様をモチーフにした「零号」の文字。

江戸時代からの酒蔵の佇まいを残す中澤酒造。

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