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「量」はブランド力となり得るか

大量生産地ならではのブランド化の悩みとは?

茨城県は首都圏の食を支える大農業地帯。その中でも鉾田市は、多くの産品の産出額が日本一となっている。多くの産品の中でも、特にメロンは、鉾田市がブランド化に力を入れている産品の一つだ。温和な気候と太平洋からの潮風、そして水はけがよく肥沃な大地は、メロンづくりに最適だという。産出額が日本一ということは多くの量を安価に安定供給していることを約束できる証となる。したがって、量販店や青果店チェーンなど流通に対しては絶大なブランド力を発揮することが出来る。

一方、昨今では「ブランド力を高める=高い収益性に繋げる」という考え方がある。マーケティングの原則的には「希少性がある高品質な商品」は高価に取引され、収益性が高くなる。つまり、産出額日本一とは考え方が相反することになる。高価なメロンが求められるギフト市場をターゲットにしている高級青果店や高級青果店の顧客、さらには高価格の飲食店には、産出額日本一ではブランド力を発揮しにくい。別のマーケティング戦略が必要となる。

ブランド力は万能ではないのだ。

都市農村交流課 プロデューサー 石井和裕

新鉾田駅に掲出された広告看板。

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