「一言でできる市町村の自己紹介」はできているか?
移住イベントへの参加者は2種類に分かれると考えてみる。「参加する前から、どの市町村に移住してみたいかを決めている参加者」と「参加する前は、その県に移住したいとぼんやりと考えている参加者」の2種類だ。県単位で開催する移住イベントには、県内の市町村がブースを出展している。同じ県の仲間だが一方でライバルでもある。参加者の奪い合いが起きる。
そこで重要なのは、立ち並ぶ市町村のブースの中で「自分たちの市町村は何がウリ(特徴)の市町村なのか」を第一印象で参加者に感じていただけるかだ。言い換えれば「一言でできる市町村の自己紹介」。それこそが地域ブランドとなる。看板に掲載するメッセージ、ポスターのキャッチコピー、のぼり、ユニフォーム(はっぴ)などなど。
特に重要なのは、職員・スタッフの声掛けのメッセージ。どのような言葉でブースへの着席を誘うのか。腕の見せどころではあるが、それ以前に、会場内の他の市町村と比較して「何を最初に強みとして言えば参加者の心に響くのか」を決めることが重要になる。市町村の良いところは沢山あるが、その中から一つを選ぶことになる。長野県飯山市であれば「上越新幹線の駅がある」かもしれない。長野県伊那市であれば「整った子育て環境」かもしれない。そして、参加者の属性(シニアなのか子育て世代なのか等)によって、そのセレクトは変わるかもしれない。
競合と相手を見て、自分の市町村のたくさんのよいところの中から、一つを選ぶことが大切だ。
都市農村交流課 プロデューサー 石井和裕

東京・有楽町で開催された移住イベント。