「とちおとめ」から「スカイベリー」へ。
地域産品ブランドと土産物菓子のタイアップは、地域産品ブランドの認知と理解を進めるために有効な手段とされている。「いちご王国とちぎ」を標榜する栃木県では、どのように推進しているのだろう。栃木県では、長く親しまれてきたいちごブランである「とちおとめ」の後継品種として新品種「スカイベリー」を開発。消費拡大とブランド化を促進するため、「スカイベリー」の果実を使用した加工食品等の商品名として使用する目的で、平成24年に文字商標の登録を行い平成26年に登録されている。
栃木県は、特に、土産物菓子などの加工食品への使用を積極的に促してブランドの浸透を図る戦略を立案。スカイベリーの生産が本格化することを受けて、栃木県は「商標管理要領」を制定した。「スカイベリーの果実を必ず含んでいる」「ほかのイチゴ品種を混合していない」等の一定の基準を満たせば無料で商標を利用できることとした。このルールを明確化することにより、加工食品メーカーが競って「スカイベリー」商標を利用した商品を開発した。その結果、駅売店や観光地の土産物店等、県外からの来訪者との重要な接点となり、かつ、視認性の高い売場には「スカイベリー」の名前の入った菓子が大量に陳列された。
販売シェアが約3割と国内トップブランドだった「とちおとめ」の名前の入った菓子は、やや視認性の低い売場に移動する現象が起きている。「スカイベリー」のブランド浸透と理解が急速に進む一助となっている。
都市農村交流課 プロデューサー 石井和裕

駅売店に並ぶ「スカイベリー」の文字。

「ハッピーターンとちおとめ」「ミルキーとちおとめ」は下段の売場に移動した。