「大宮ナポリタン」は鉄道のまちの地産地消メニュー
全国各地で新たなご当地メニューの開発が盛んに行われている。しかし、その地に、そのメニューが存在する必然性が弱いメニューは、短時間で定着することなく消滅していっている。巨大駅、鉄道博物館のある大宮では、飲食店32店舗(2016年4月現在)が「大宮ナポリタン」を提供している。
ご当地メニューの必然性には2つの要素がある。まずはストーリー。「大宮ナポリタン」の場合は、大宮駅、日本鉄道大宮工場(現・大宮総合車両センター・大宮車両所)の鉄道員や工場マンがよく食べていた戦後の人気メニューが「ナポリタン」であったということ。次に地産地消。「大宮ナポリタン」の条件は、旧大宮市内に店舗があり、具材に埼玉県産野菜を1種類以上使うこと。例えば、小松菜を使用するメニュー等がこれにあたる。
2つの要素のいずれかが欠けても、ご当地メニューは定着しない。新たなご当地メニューの開発を目指す地域はストーリーと地産地消、この両方を押さえることが必要だ。
都市農村交流課 プロデューサー 石井和裕

大宮ナポリタン(ウィカフェ エキュート大宮店)